税理士とは(税理士試験の概要)

税理士は、税理士法によって定められた国家資格です。
税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする(税理士法1条)とされます。

税理士の仕事

税理士は、依頼者の求めに応じ、税に関する以下の業務をおこなうことができます。

  • 税務代理(同法2条1項1号)
  • 税務書類の作成(同法2条1項2号)
  • 税務相談(同法2条1項3号)

以上は、税理士でなければ有償・無償を問わず、税を申告する本人以外はできない業務ですが、通常、非独占業務である会計帳簿の記帳決算なども付帯的におこなうこともあります。

大企業の場合は日々の記帳や決算は通常自社の経理部などがおこないますが、小さな会社や個人事業の場合は、税理士さんにまるごとお願いする場合も多いようです。

また、税理士は業務に付随する範囲において社会保険労務士業務の一部をおこなうことができます。
さらに、税理士の資格を有する者は、行政書士登録を受ければ行政書士となることもできます。

税理士の仕事はクライアントが個人事業の場合、2月16日から3月15日までの確定申告の時期に仕事が集中します。
法人の場合は、各法人の決算期によって申告時期が異なってきますが、3月決算の会社が多いようですので、5月が忙しい時期です。
その他クライアントによっては年末調整も依頼されますので、その場合は12月も多忙になったりします。
どんなクライアントが多いかによりますが、おおざっぱにいえば冬場から春にかけてが忙しい時期です。

収入は、税務代理報酬,書類の作成報酬,税務相談報酬,税務調査立会報酬,記帳代行料、決算料などになりますが、申告業務だけに依存していると繁忙期に集中してしまうので、記帳代行や顧問契約で平準化を図っている税理士が多いようです。

相続税などの相談や申告は1件当りの金額が比較的大きくなりますが、コンスタントにある仕事ではないので、それだけに特化することはなかなか難しいものがあります。

税理士になるには

税理士になるには、次のいずれかに該当しなければなりません。

  • 23年以上税務署に勤務し指定研修を受けた国税従事者
  • (1号)税理士試験に合格した者
  • (2号)第6条に定める試験科目の全部について、第7条又は第8条の規定により税理士試験を免除された者
  • 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
  • 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)

一般には(2)の税理士試験を受けて合格を目指します
試験に合格して資格を取得し、日本税理士会連合会に税理士として登録することにより税理士としての業務ができるようになります。

登録は試験に合格してすぐにできるわけではなく、税理士事務所に勤めるなど「租税・会計に関する事務」の実務経験を2年以上経験してから税理士会の審査を受ける必要があります。
実務経験は合格前のものでもよく、その為税理士を目指す人は税理士事務所に勤めながら勉強するという人が多いようです。

税理士試験

受験資格は

(1) 学識による受験資格

  • 大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学(※1)を1科目以上履修した者
  • 大学3年次以上で、法律学又は経済学(※1)を1科目以上含む62単位以上を取得した者
  • 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
  • 司法試験合格者
  • 公認会計士試験の短答式試験に合格した者

(2) 資格による受験資格

  • 日商簿記検定1級合格者
  • 全経簿記検定上級合格者

(3) 職歴による受験資格

  • 法人又は事業行う個人の会計に関する事務に3年以上(※7)従事した者
  • 銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に3年以上従事した者
  • 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に3年以上従事した者

となっており、一般的には大学3年生以上でないと受験できませんが、それまで待てない人は日商簿記の1級をとるなどして受験できます。

試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目(必須科目)
税法に属する科目(所得税法法人税法相続税法消費税法又は酒税法国税徴収法住民税又は事業税固定資産税)のうち受験者の選択する3科目について行われます。

 ※ 所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。

なお、税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1年に1科目ずつ受験してもよいことになっています。

合格基準点は各科目とも満点の60パ-セントで、例年の科目合格率はおおむね0%~20%程度です。

合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したとき合格者となります。

修士または博士の学位を持っている場合、一定の条件で試験の一部が免除される制度があります。

免除なしで受験すると、1年1科目のペースで合格していっても5年かかることになります。

単純計算では1回で2科目・3科目受ければもっと早く合格できる計算ですが、簡単ではありません。

実際、会計事務所に勤めながら10年近く税理士試験を受け続けたけれど、どうしても最後の1科目が合格できず、勤めを辞めて大学院に入学しなおし、試験免除で資格をとったという人もいます。

受験する科目に順番はありませんが、税法科目で簿記の知識が必要な場合があるので、必須科目の簿記論と財務諸表論(簿財といいます)から受験するのが一般的なようです。

5科目一発合格というのは現実的ではありませんので、大学在学中に簿財をとっておき、卒業後、税理士事務所などに勤務しながら残り3科目を受験するというのが理想に近いのではないでしょうか。

ただし税法科目を働きながら勉強するというのは並大抵ではありませんので覚悟してください。
大変ですが苦労した分、得られた成果は一生の財産になります。

受験勉強の方法は専門学校に通う方法と自宅で勉強する方法があります。通学する方法は、先生の指導があり周囲に目的を同じくした人が大勢いるので、長丁場の中でモチベーションが下がりにくいという利点がありますし、自宅で勉強する方法は、時間やペースを自分で調整できるので、税理士事務所などで受験に理解があり励ましてくれるような環境にいる方にはその方が良いかもしれません。
どういう方法を選択するかは、自分の性格や仕事との関係,周りの環境などを総合的に判断して選ぶことになります。

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