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公共職業訓練と求職者支援訓練

国(厚生労働省)では、労働者スキルアップおよび就業を支援するために様々な施策を実施しています。
「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」もその中のひとつです。

公共職業訓練と求職者支援訓練の違い

いずれも仕事をするために必要な能力を身につけたり、さらなるスキルアップを図るための訓練ですが、根拠になる法律が異なる異なった制度です。

もともとは公共職業訓練しかなかったのですが、これは職業能力開発促進法に基づき雇用保険を財源として運営される制度で、その性格から雇用保険の受給資格者しか対象になりません。
そこで平成21年に緊急人材育成就職基金がつくられ、雇用保険の受給資格のない人でも受けられる基金訓練がはじまりましたがいくつかの問題が生じ廃止されてしまいました。その後それに代わる制度として特定求職者支援法が制定され恒久的な求職者支援訓練がはじまりました。

公共職業訓練は、求職者すなわち現在失業中の方を対象としたものと、在職者すなわち現在勤めている方を対象としたものがあり、在職者を対象としたものは有料になりますが、求職者を対象としたものは無料で受けることができます(テキスト代等は自己負担)。
求職者支援訓練は、その名のとおり求職者だけが対象になりますので、すべて受講料は無料です。

公共職業訓練は、前述のとおり労働者と雇用主が納める雇用保険料を財源として運営されるのはわかるのですが、実は求職者支援訓練の財源も一部は国庫すなわち税金から支出されますが、約4分の3は雇用保険から支出されています。

ですからいずれの訓練も、訓練終了後は雇用保険対象の仕事に就くことが強く求められ、訓練施設で求職活動の指導もおこなわれます。

似た制度がいくつもあって分りにくいのですが、訓練を図解したものが厚生労働省のホームページに掲載されていましたので転載して紹介させていただきます。

職業訓練チャート

これを見ると、職業訓練は大きく在職者を対象とした訓練と求職者を対象とした訓練に分かれ、求職者を対象にした訓練はさらに、雇用保険を受けられる人の「公共職業訓練(離職者訓練)」と雇用保険をもらえない人の「求職者支援訓練」に分かれるということになります。
また新卒で未就職の場合は「公共職業訓練(学卒者訓練)」もあります。

公共職業訓練

公共職業訓練は、失業対策だけでなく労働者の技能や技術を向上させることが本来の目的であり、在職者に対する訓練もおこなっています。

運営主体は国、都道府県、市町村、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構などです。
高齢・障害・求職者雇用支援機構では「職業能力開発大学校」や「職業能力開発短期大学校」「職業能力開発促進センター」を運営しています。
自治体では地域により呼称が異なりますが、「職業能力開発校」を運営しています。

職業能力開発大学校や同短期大学校は入学資格として高校卒業か同等の者としており、短大・大学レベルの訓練内容になるようです。地域の職業能力開発校は、在職者を対象にした短期のものから求職者を対象にした長期のもの、公共の訓練施設でおこなわれるものや民間に委託しておこなわれるものなどがあります。

職業能力開発総合大学校では、職業大学総合課程を卒業すると一般の大学と同様に学士の学位が授与されます。
職業能力開発大学校および同短期大学校についてはポリテクカレッジを参照ください。

このように一口に公共職業訓練といっても、運営主体から訓練施設、対象者、訓練内容と多種多様で分りにくく、それが利用されない理由の一つになっているような気がします。

各都道府県で公共職業訓練の案内が出ているページを揚げておきます。広報のポリシーが各都道府県によって異なりますのでご承知ください。原則都道府県庁のサイトを優先していますが、情報が少ない場合は労働局などのサイトになります。民間委託訓練については十分な情報がないところも結構あります。

北海道 北海道ハローワーク 職業訓練のご案内
青森県 県立職業能力開発校ポータルサイト
岩手県 職業能力開発施設(産業技術短期大学校、高等技術専門校)
宮城県 職業能力開発
秋田県 秋田労働局
山形県 職業訓練情報
福島県 認定職業訓練/認定校
茨城県 職業能力開発課
栃木県 産業技術専門校
群馬県 職業能力開発
埼玉県 職業訓練
千葉県 千葉県ジョブサポートセンター
東京都 TOKYOはたらくネット
神奈川 職業訓練
新潟県 職業能力開発に関する情報
富山県 富山労働局
石川県 職業訓練全般
福井県 福井県立産業技術専門学院
山梨県 職業訓練
長野県 長野労働局 公的職業訓練のご案内
岐阜県 公共職業訓練のご案内
静岡県 労働者・求職者の方へ
愛知県 公共職業訓練のご案内
三重県 職業能力開発
滋賀県 公共職業訓練とは
京都府 職業訓練・能力開発について
大阪府 職業訓練のご案内
兵庫県 離転職者、新規学卒者、障碍者等に対する職業訓練について
奈良県 職業能力開発に関する情報
和歌山県 職業訓練
鳥取県 公共職業訓練
島根県 島根労働局 公的職業訓練のご案内
岡山県 岡山県内の職業訓練のご案内
広島県 公共職業訓練
山口県 公共職業訓練ナビ
徳島県 徳島労働局 職業訓練関係について
香川県 職業訓練
愛媛県 職業訓練
高知県 職業訓練コース一覧
福岡県 職業訓練
佐賀県 佐賀県職業訓練のご案内
長崎県 職業訓練
熊本県 公共職業訓練案内
大分県 職業訓練情報
宮崎県 職業訓練
鹿児島県 公共職業訓練について
沖縄県 公共職業訓練について

公共職業訓練(離職者訓練)の良いところは、自己都合で退職した場合でも雇用保険すなわち失業給付が訓練をはじめた時点で給付制限が解除されるので、退職後3ヶ月たっていなくても給付を受けられるというところです。
また訓練期間中に失業給付の受給期間が終わってしまう場合でも、訓練が終わるまで延長されます。

さらに受講料が無料であるだけでなく、訓練施設への通所のための交通費も支給されます。

申込はハローワークでおこないますが、その前に希望の訓練を探してください。

高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営するものは、

の各サイトをご覧ください。

自治体が運営する職業能力開発校や民間委託訓練施設については、上記の各都道府県のサイトや、お住まいの地域のハローワークで探してください。

これと思う訓練コースが見つかったら、まずハローワークの窓口で相談してみたうえで、実際に訓練施設に行って詳しい説明を受けるとよいでしょう。

訓練によっては、選考試験がありますので、必ずしも希望の訓練を受けられるという保証はありません。本当にその訓練が自分の求職活動で役立つのか、その訓練を受けることによって就職できるようになるのかがポイントです。熱意をもって応募してください。

求職者支援訓練

こちらは、雇用保険の受給資格がない人、すなわち会社の役員で雇用保険に入れなかったとか個人事業主だったとかの他、雇用保険の受給期間が終わった人などが利用できる制度です。

主に雇用保険を受給できない求職者の方(受給が終わった方も含む。)を対象に、就職に必要な技能及び知識を習得するための職業訓練を無料(テキスト代等は自己負担)で実施しています。

厚生労働省「職業訓練(就職に向けてスキルを身につけたい方へ)」より引用

現実には、結婚退職・出産退職で退職して子育てが終わった主婦の再就職希望者などの受講者が多いようですが、その他会社の倒産やリストラで失職した後雇用保険の対象とならない短期の職にしか就くことができなかった人、希望の職がみつからないまま雇用保険の支給期間が終わってしまった人など様々です。
本人および世帯収入や資産用件等一定の要件を満たす場合は、給付金の支給(月額10万円+通所手当)を受けることもできます。

訓練施設は、企業や学校などですが、受講申し込みはハローワークでおこないます。
まず、検索サイトなどで、身に着けたいスキルを学べるコースを探します。ハローワークで相談してみるのもいいでしょう。
これはというコースが見つかったら、直接訓練施設に電話をいれます。電話だけでは詳しい話を聞くことは難しいので、実際に足を運んで説明を受けます。施設の見学もさせてもらえますので、タイミングが良ければ開講中の授業も見学できます。

各コースでは、目標資格を設定しているので目安にすると良いでしょう。あくまで目安であり、必ずしも受験する義務はありませんが、訓練の目標になるだけでなく、一定の技術・技能を修得しているという客観的な評価基準が得られることになりますので、できるだけ取得しておいた方が良いでしょう。実際ほとんどの受講者が目標資格を受験しています。

受講を希望する場合は、その旨をハローワークに伝えると手続きをおこなってくれます。人気のあるコースなどの場合は選考試験があり、必ずしも受講できるとは限りませんので、受講の必要性や熱意を伝えることが重要です。

授業は原則平日の日中におこなわれ、パソコンや介護、簿記、設備管理といった実務スキルの訓練以外に、ビジネスマナーやコミュニケーション能力といった基礎的な職業能力の講習もおこなわれます。

雇用保険から受講料を出してもらえるのですが、その対価として訓練終了後3ヶ月以内に雇用保険対象の仕事に就くことが求められます。
また私用などの理由での欠席は認められず、出席率が8割を下回ると退校処分になるなど厳しい条件があります。

開講予定の訓練については、一般財団法人 全国就職活動支援協会が公開する、求職者支援訓練 検索サイトで検索できます。

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